

「野草茶」と呼ぶのが一般的かも知れません。
でも、私たちはあえて「野生茶」と呼んでいます。
軒下につるして陰干しにしたり、揉んで醗酵させてつくるお茶よりも、製法的にはずっとずっとシンプルで、どこか原始の香りがする製法だからです。
縄文鍋をガスコンロの火で空焚きし、鍋底の石を温めます。熱くなった石に摘んだ葉を並べて乾燥させ、適度に焦がします。
この石の熱でこんがりとローストされた葉っぱを煮出すと、フレッシュな原始の味覚を楽しむことができます。
これが野生茶です。文明が忘れ去った命のようなもの感じます。


野草園(jomonガーデン)のくぼ地に新芽をのぞかせるドクダミ、落ち葉に隠れて大きくなるユキノシタ、たくましいオオバコ、そして人類がふるいにかけて選んだチャノキ、ビワやシナモンの葉っぱも野生茶の対象です。
薬草のお茶としても重宝です。


実は、野生茶は葉っぱがシェフの本質なのです。
縄文鍋で葉っぱを焙煎するプロセスに、肉や魚介、野菜、果物、穀物などの食材を蒸し焼きし同時に葉の成分を食材に吸収させます。
縄文鍋の中では、自分の力でたくましく生きる自生植物の生命力が食材に吹き込まれているのです。
人類が火を発見し、初めて食物を過熱し始めた太古の昔からこの営みがあったと想像しています。
